シン・エヴァンゲリオンを観て
思ったことを書き殴っていこうと思います。
既に溢れかえっている考察の繰り返しになります。読んでしまっているので影響受けまくっています。
一番驚いたのが、TVシリーズや旧劇、貞本エヴァやゲーム等、ありとあらゆるエヴァ作品を取り込んでまるっと救って見せたところ。
主要キャラの救い
アスカ
ラストの浜辺のシーンが旧劇の浜辺だってのは観てて思ったけれど、そこに横たわるアスカが28歳のアスカだとは気づけなかった。
確かにプラグスーツが旧劇のデザインで、彼女はオリジナルだったのかもしれない。
あの浜辺で救ったのは、「惣流・アスカ・ラングレー」であり、「式波・アスカ・ラングレー」だったんだ。
アスカはシンジとの関係にケリをつけて、自分の幸せである「認められること」もケンスケによって叶えられた。ケンスケありがとう、アスカを頼んだよ…。
レイ
初号機の中にいた綾波も、ツバメを抱いてたから、「アヤナミレイ(仮称)」であり、「綾波レイ」でもあったんだ。
「碇君がエヴァに乗らなくていいようにする」その願いはシンジ自ら世界を書き換えて作るから、君は君の幸せを願っていいんだよ。ありがとう、シンジをずっと気にかけてくれていて。例えそれが仕組まれた感情だったとしても、それはシンジにとって支えになったはずだ。
カヲル君
カヲル君についてはまた謎が増えてしまった。なんで「渚司令」なんて呼ばれてんだ?
でも彼も自分の幸せについて気づいて、救われていった。シンジ君を幸せにすることで自分が幸せになりたいなんて、自分だけ幸せになったっていいんだよ…。
ゲンドウとユイ
私はユイという人間について詳しくないので、あまり語れないのですが…。
他の人の感想や解説や考察を読むに、「エヴァを使って世界を、未来を守る」ことが目的だったのかなぁ。
TVシリーズ時点では使徒と戦って勝利しないと未来はなくて、S2機関を持った使徒と戦うには既存の兵器ではどうにもならなくて、だからエヴァが必要だった。
だから実験の際に自ら残って初号機のコアとなった。これでエヴァの研究が進むからって。
ゲンドウはそれを認められなかった。ユイが何を願い、何を望んだのかを理解できなかった。彼は彼の孤独で手一杯で、他のことを考えられる状態ではなかったから。
それが、シン・エヴァ劇中でシンジと会話をして、理解できたのかもしれない。理解できたかもしれないから、最期にとどめを刺すシンジを送り出したユイを後ろから抱きしめて槍を突き立てた。
この二人は現実世界に行くことはできなかったけれど、それでもあの瞬間願いが叶って救われたと思う。
ミサトさん
いつの間に加持さんとの間に子供を設けていたのか…。リョウジ君の年齢的に:破の終わりか。
父の犯した罪の贖罪が目的だった彼女は、新劇では未来に繋ぐことが目的に変わっていた。それはリョウジ君ができたからか。親として顔を合わせることなくヴンダーの槍を届けて彼女は死んでしまったけれど、それでも未来に繋ぐことができたから、彼女自身は救われたはず。
葛城艦長から葛城ミサトに戻った瞬間は本当に嬉しかったなぁ。
シンジとマリ
シンジは第三村でなんとか立ち直って、進む決意をする。この世界に、自分が犯した罪に、決着をつけることを決める。
その結果、自分を犠牲にしてもエヴァの無い世界を創ろうとした。最期、絵コンテに切り替わる世界、虚構と化していく世界で一人佇むシンジ。
彼の元へマリがギリギリ駆け込んできて、シンジを連れてエヴァの無い世界、現実世界に。
エヴァの無い世界にはエヴァの呪いも存在しない。彼は28歳のサラリーマンの姿となり駅のホームのベンチに座っている。
反対側のホームには嘗てのチルドレンたちの姿が。ホッと、安堵を覚えるシンジ。良かった、彼らもちゃんと救われて、自分の幸せのために生きていけるんだ。
そう思っていたら突然視界が遮られ「誰かわかる?」と声がする。シンジは笑って「乳の大きい、いい女」と返す。そのセリフはヴンダーの中で交わされた会話のリピートだ。
後ろに立っていたのはマリ。あれから時間を重ねた大人のマリ。シンジは彼女の手を取って駅から走り出した。
彼らは"この世界"で生きていく。辛いことも悲しいことも、楽しいこともある、エヴァの無い"この世界"で。
マリについて
マリは冬月先生に「イスカリオテのマリア」と呼ばれていたけれど、これが「イスカリオテのユダ」と「聖母マリア/マグダラのマリア」のダブルミーニングだとは。
「イスカリオテのユダ」なんて初めて聞いた。キリスト教か、そうだね、エヴァは元々キリストの話が多分に出てくる話だったね。
使徒がそもそもそうだ。神(キリスト)の使いの天使たち。
イスカリオテのユダ
キリストの話でユダって人物?がいるくらいは知っていたけど、ユダがキリストを裏切った使徒だったなんて知らなかった。
いきなり「イスカリオテのマリア」とか言われても意味深なセリフだな?くらいにしかならない。
聖母マリア/マグダラのマリア
聖母マリアは言わずもがな。処女のまま子を成した聖母マリアは「母」と解釈。
マグダラのマリアは初めて聞いた。イエス・キリストに付き従った女性で「妻」と解釈。
なるほどなるほど?
エヴァ考察勢の知識量には全く恐れ入る…。なんであの一言でこれらが出てくるのよ…元々キリスト教の話が多いからか…(ループ)
イスカリオテのマリア
ユダとマリアを合わせて、「裏切り者のマリア」がマリの正体になると。
彼女は貞本エヴァに登場していて、京都大学でゲンドウと同級生だったらしい?やっぱり貞本エヴァも読まなければならないな…。
京都大学時代にすでにゲンドウやユイ、冬月先生と関わっていたのなら、当然ゼーレの話も知っているわけで。
その上で彼女は最終的にヴィレについた。ゼーレ及びNERVを裏切る。(イスカリオテ要素)
マリは元々ユイに執着していた。そのユイがエヴァに取り込まれた後、マリの執着はシンジに移った?(マリア要素?)
ってこと?
あの世界に生きた一般人達もちゃんと現実世界に生きているんだと思う。トウジもケンスケもヒカリもツバメもおばちゃんたちも。
もしかしたらシンジとどこかで会うかもしれない。彼らはシンジのことを覚えていないかもしれないけれど、シンジは覚えていて心の中で「幸せそうで、良かった」ってつぶやくのかもしれない。
心身ともに成長したシンジは「初めまして」から関係を作り始めるかもしれない。
ホームの向こう側にいたチルドレンたちとも、もしかしたらどこかで繋がるかもしれない。
そんなたくさんの「かもしれない」を夢見ながら、もう少しエヴァに呪われていたい気分です。大丈夫、救いの光は受け取ったから。頂いた光を道標に、必ずシンジたちと同じ世界にたどり着けるから。